トムプロジェクト

2025/11/21
【第2111回】

昨日は錦糸町の稽古場で「五十億の中でただ一人」の通し稽古に行って来ました。この日が2回目の通し稽古、これまで積み上げた各シーンが上手く繋がっているかどうかを確認する大切な稽古です。今回の芝居は、全く違う家族と時代が同じ舞台上で同時進行するだけに役者も演出家も苦心惨憺ではなかったかと、おいらも心配していました。おいらも役者さん同様、緊張しながらの時間でした。5人の俳優さんのこの芝居に賭ける思いが難しい場面の繋がりをなんとか形にしてくれるどころか、演劇ならでは手法で見所のある芝居になる予感を感じさせてくれました。

改めて、芝居っていうしろもの一筋縄ではいかないものだと...作者が書いた台詞を他者が解釈し表現する過程において様々な解釈の誤差が生じるのは当たり前。育った環境、思考形態の違いは当然で、その距離感なり溝を如何にして埋めていく作業が稽古場の時間。短時間で埋まる人もいれば、なかなかと時間を要する人もいるという具合に全てがスムーズに進行していかない局面を目にすることもしばしば。中には最後まで、頑固に自分の殻に閉じこもり妥協しない人がいるのもこの世界では珍しいことではない。こんなときの助っ人役を引き受けるのもプロデューサーの仕事である。伊達に長いこと飯を食ってきた訳じゃありませんよ!と何らかのヒントを何気なく吐露して潤滑油の働きをするのでございます。

一週間後に初日を迎えます。チケットは追加公演を残し完売。乞うご期待!

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紅葉狩り3

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