トムプロジェクト

2025/11/27
【第2113回】

日々当たり前のように食べている卵、物価が上昇していても大して上がらず庶民の味方ともいえる唯一無比の食品です。そんな卵、実は苛酷な状況の中で生み出されているんです。1羽あたりB5判サイズ以下の空間に埋め込むバタリーケージで閉じ込められ運動量も抑えられ、喧嘩しないようにクチバシを切断するのも当たり前。そんな生産効率主義第一の養鶏場を変革すべき会社を立ち上げたのが鹿児島県曽於市にある「サテライツ」。この養鶏場で平飼いされてる鶏は羽の汚れを落とす砂浴びも、地面をつついて餌を探す動作も、眠るときに止まり木に登るのも、鶏本来の習性、欲求に基づく行動らしい。経営者である川原嵩信さんの嘗ての希望である「自然に近いかたちで鶏たちに生きて欲しい」という願いから生まれた。更に、一般的な採卵養鶏業者は産卵率が下がる2歳前後で廃鶏とし食肉処理する廃鶏を引き取り産まなくなっても最後まで飼うシステムを作り上げる。そもそも歩いたり、羽ばたいたりしたことがない鶏たちは平飼い場に放り出されてもすぐには歩きだせない。止まり木にも登れない。それでも次第に本来の姿、行動を取り戻し、2,3カ月くらいで羽も生え放牧場を駆け回る姿になるとのこと。そして3日に1度には卵を産む様になるそうだ。正直、経営はなかなか困難だと思いますがこんな人たちが居る限り人類もまだまだ希望が持てそうです。この世の中、本当におかしくなっています...もう一度しっかりと大地を踏みしめて!

「五十億の中でただ一人」本日、初日でございます。

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バラとメタセコイア

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