2025/03/31
【第2016回】
桜が満開になった途端、季節は冬に逆戻り。今日も慌てて冬のコートを取り出し花冷えの寒さに備えています。それにしても桜の淡いピンクは何となく幸せな気分にしてくれます。実はこの色の秘密は、桜の木全体が懸命になってピンクの色になろうと日々研鑽している結果だそうです。しかも開花に合わせてのタイミングを計りながらの必死の作業というのですから...染織家の志村ふくみさんが、上気したような桜色の着物を仕上げていく過程の中で一番重要なことは桜のごつごつした樹皮から取り出した液だそうだ。しかもこの液は開花直前でないとベストの色が出せないそうだ。自然が織りなす現象に人がどう向き合って創造していくか...なんともスリルであり、ワクワク感、満載である。
人間だって似たようなモノである。不遇の時代を冬の季節なんてたとえがあるように、そんな時期にこそ只ひたすらに、がむしゃらに森羅万象、目にする、感じるもの悉く蓄える。そして春が来て見事な自分しか出せない花を咲かせる!
桜見物に酔いしれているこの日も、ガザ、ウクライナで多くの不条理な死。そしてミャンマーの地震。大国のリーダーの一刻も早い目覚めを期待したいのだが...己の欲望にしか興味がない彼らの幹なるモノには血なまぐさい液が流れているに違いない。
今日の神田川