トムプロジェクト

2025/03/31
【第2016回】

桜が満開になった途端、季節は冬に逆戻り。今日も慌てて冬のコートを取り出し花冷えの寒さに備えています。それにしても桜の淡いピンクは何となく幸せな気分にしてくれます。実はこの色の秘密は、桜の木全体が懸命になってピンクの色になろうと日々研鑽している結果だそうです。しかも開花に合わせてのタイミングを計りながらの必死の作業というのですから...染織家の志村ふくみさんが、上気したような桜色の着物を仕上げていく過程の中で一番重要なことは桜のごつごつした樹皮から取り出した液だそうだ。しかもこの液は開花直前でないとベストの色が出せないそうだ。自然が織りなす現象に人がどう向き合って創造していくか...なんともスリルであり、ワクワク感、満載である。

人間だって似たようなモノである。不遇の時代を冬の季節なんてたとえがあるように、そんな時期にこそ只ひたすらに、がむしゃらに森羅万象、目にする、感じるもの悉く蓄える。そして春が来て見事な自分しか出せない花を咲かせる!

 

桜見物に酔いしれているこの日も、ガザ、ウクライナで多くの不条理な死。そしてミャンマーの地震。大国のリーダーの一刻も早い目覚めを期待したいのだが...己の欲望にしか興味がない彼らの幹なるモノには血なまぐさい液が流れているに違いない。

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今日の神田川

2025/03/28
【第2015回】

今年も野球の季節がやってきました。大リーグは一足早く東京でプレー、人気球団ドジャースの来日で大変な盛り上がり。お目当ての大谷選手のホームランも華を添えました。そして、今日、本拠地でタイガース相手に接戦を制し開幕から3連勝、この日またしてもファンの期待に応え翔タイムホームラン。この人はもはや人間ではありませんな...野球の神様が、この苦難の時代に遣わした使者としか思えません...髪もスッキリ、野球小僧みたいな風貌で弾丸ライナーを飛ばすんですから観客にとってはたまらん選手ですバイ!それにしても、ベースボール本場の球場での光景が素敵ですね。グランドに家族共々の始球式、試合終了後も選手と家族がグランドで記念写真撮ったり談笑したりと自由奔放な雰囲気がいかにもアメリカらしい。トランプもさすがに野球には口出ししないと思いますがね...

さて、日本のプロ野球も今日がスタート。なんだか大リーグ人気に少々押され気味なんですが、ここはひとつ頑張って欲しいところですね!ちんたら野球が一番いけませんね、実力が伴わない選手ほどスピード感に欠けます。日々大リーグの中継が放映されているので学習して欲しんもんでございます。

今年のライオンズ、各評論家の予想ではいずれも4位、5位という予想ばかり。オープン戦では12球団中2位の成績、投手、打者ともどもなかなかの数字を残しているにも関わらず評価が低い。ここは昨年の悔しさをバネにして予想を覆して欲しい!おいら的には、今年のライオンズはかなり上位に食い込んでいくと思っています。昨年は、はや5月で終戦だっただけに今年は最後までワクワクする戦いを期待していますよ。

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今日のサクラ

2025/03/26
【第2014回】

昨日は映画「ウィキッド 二人の魔女」を鑑賞。当たり前のことだが、やっぱり映画は映画館で観なきゃ本当の良さは分かりませんね...ウィキッドの原作は1995年に発表された小説。そして、2003年にブロードウェイ、2007年からは日本では劇団四季で演じられ、今も上演される人気の舞台である。実は2004年に映画化の話が出たけど、いろいろから先送りにされたらしい。それにしても、芝居は勿論、歌、踊りの質と量にただただ圧倒されるばかりだ。何と言っても、ダブル主演となるシンシア・エリヴァとアリアナ・グランデのやりとりに目が離せない。人気者と嫌われ者、真逆の2人の女性がお互いに反発し合い、そして友情を深めていく姿がストーリーの軸である。さらにそこに普遍的な差別や正義、歴史に対する批判など今尚続く社会問題も盛り込みながらさまざまテーマが描かれている。ただ、多様性をとりあえず差し込みましたみたいな作品ではなく、それらを包括した内容はある種哲学としても読み取れる深さだ。

そして今回の映画のリアル感は、録音ではなく、現場での歌唱でお互いに戦おうとした姿。通常ミュージカル映画は、踊りながらの芝居であるため歌は録音したものを使用するのだが、二人の思いを込めたナマの表現力が3時間近くの作品なのに最後まで飽きさせない。

 

一昨日のサクラ、今日見事に咲いていました。今週の週末が満開、サクラ見物で大賑わいでしょうね。東京は花冷えなので暖かくしていかないと体調崩しますからご用心。

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サクラサク

2025/03/24
【第2013回】

サクラ開花宣言を今か今かと待つ人達のワクワク感が、なんだか暗いニュースが連日流れる中、大谷選手の動向ともどもたまらないですね。一年に一度の恒例行事といえ、満開のサクラを見上げながら古代の時代から、今ある幸せに感謝の思いを託したのではなかろうか。

この時代、サクラも多種多様で早咲きのサクラも良いのだが、やはり花の美しさや華やかさが抜きん出てるソメイヨシノが横綱でしょうね。この品種の花言葉は「純潔」、これは花の美しさを上品な女性に例えたと言われています。

先週の土曜日は中野にあるザ・ポケットで上演された劇団温泉ドラゴン第19回公演「痕、婚、」(こん、こん、)を観劇。関東大震災に起きた朝鮮人大虐殺事件にまつわる物語でした。

この話は、今までにも舞台、映像を通じて悲惨な歴史、とりわけ日本人の偏見、差別の 問題として取り上げられてきました。差別、偏見、人であるならば誰しもが持ち合わせている負の部分です。だからいつまで経っても「歴史は繰り返される」なるものが延々と続いています。この負の部分をいかに己の中で希薄にしていくか...と分かっていながらなかなか成就できないのが、それぞれの環境、事情、思考などが絡み合って生きているからだと思います。そして時の権力者が、その負の部分を巧みにコントロールして戦争という最悪の筋書きを作り出していきました。

ガザの惨状、ウクライナの先の見えない不安...そんなニュースを日々見聞きするこの時期、淡く色鮮やかに咲き乱れるサクラに世界平和の思いを託したいものですね。

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アシタヒラクカナ

2025/03/21
【第2012回】

昨日は、地下鉄サリン事件から30年...あの日の惨劇は今でも忘れることが出来ません。洗脳がいかに怖いかを改めて考えさせられた事件です。亡くなった人は勿論、今尚後遺症に苦しむ人達の姿を見る度に麻原以下、幹部の者たちの責任は死刑になっても許せるものではありません。その者たちのほとんどが高学歴の知識人、研究者であったことも、この国の教育システムがいかに偏狭であったかが問われているのではないか...なのに、未だ小学生から塾に通い、有名校を目指す青白き子どもたちを目にする度に心が痛みます。そんな人に限ってカルトに嵌ってしまうとは思いませんが、受験地獄に陥った者の落とし穴のひとつなのかも知れません。

 

それにしても今週は大リーグの日本での開幕戦で大盛り上がり。ドジャースに3人、カブスに2人の日本人選手、そしていずれも超一流の選手、それに本場のスピードとパワーに溢れる選手が一同に集まってプレーするのですから、野球ファンにとっては夢のような話です。そして、皆が待ち望んでいるホームランをいとも簡単に魅せてくれる大谷選手。今年もこの人から目を離せない一年になりそうですね。ドジャースの選手に鮨振る舞ったり、為すことすべてが優良すぎて何だか心配すらしてしまいます...だって人間完璧じゃないから面白いんじゃないですか?ここまで完全無欠だと、ひょっとしたら神様が送り出した人間としてのお手本。いろんな意味で、彼の一挙手一投足は興味の的であり目が離せんませんね。

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そろそろだね...

2025/03/19
【第2011回】

昨日は久しぶりに帝国ホテルに行ってきました。一般財団法人光文文化財団が主催する第28回鶴屋南北戯曲賞の授賞式がありました。トムでも今までに6本の作品を依頼した古川健さんが見事受賞。2002年に大学仲間と共に創った劇団チョコレートケーキの座付き作家であり、これまでにも読売演劇大賞、紀伊國屋演劇賞など現代演劇に新たな歴史を刻んできた注目の劇作家のひとりです。

彼の作品は一貫して、あの忌まわしい戦争に突入していったすべての日本人とはいったい何だったのか?数年前に注目された古典的名著「歴史とは何か」でE・H・カーは、歴史とは現在と過去の対話であると述べている。古川健が演劇を足場として試みていることは、対話の延長線上に、いまだ戦禍に塗れた世界を救うヒントがあるのではないかと...膨大な史実、資料を前にしながら身を削って机に向かう彼の姿が目に浮かぶ。

受賞の挨拶で「当たり前のことながら戯曲は一人では作り出せません。戯曲を演劇に立ち上げてくれるすべてのキャスト・スタッフを信じなければ、一文字だって書けるものではないのです。ですから、この度の受賞も、いつも創作を共にしてくれている、仲間全員での受賞であると考えています。」

そうなんです。芝居は総力戦ですが、なんといっても基本中の基本が戯曲です。おいらもこれまで一番重要視したのが台本です。この作品が或る水準以上に行けるかどうかは上がってきた台本でほぼ決まります。劇作家の弱体化は演劇そのものの存亡を意味します。

経済的にも決して恵まれない状況下で、命を削って日々言葉と格闘している劇作家の皆さんを応援していくのもプロデューサーの仕事なんです。

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おめでとう!

2025/03/17
【第2010回】

再々演の「モンテンルパ」、昨日、無事東京公演を終えることが出来ました。ここのところ天気の変化が激しく、昨日も冷たい雨が降りしきる中、多くの方が両国シアターΧ(カイ)に来ていただき満席での千秋楽でした。この厳しい世界状況のなかで、戦争にまつわる話を演じる俳優としては、かなりのプレッシャーを感じるのではないか...演者の戦争そのものに対する見識、解釈などが役を通して見えてくるのも当然であり、どのスタンスで演じているのかが透けてくる。

今回はその点、出演者5人がその辺りの機微を素早くとらえなかなかいい芝居に仕上がっていたと思います。大和田獏、島田歌穂さんのベテラン俳優の誠意溢れる演技はしっかりと地に足が着いていたし、この芝居の幹なる部分に人間としての生きるべきすべてが注ぎ込まれている思いがしました。

真山章志、カゴシマジロー、辻井彰太さんの3人は、複数の役を演じ分けるという難役をそれぞれに工夫しながら演じていました。おいらも稽古場で気になっていた点は何度かアドバイスしたのですが、本番ではしっかりと修正されていました。これも、3人がこの芝居を今なぜ上演すべきかの真意を感じ取っていたからでしょう...正直言って、劇団であれば一人の役者が何役もやるなんてことはなかなか無いのだが、少人数でも成立させられる演劇の妙。勿論、制作側としても経費を抑えられる利点がある。この時代、全てにおいて利便性満載だからこそ、より少ないものでいかにクオリティの高いモノが創れるか?そこがモノ創りの面白いところでございます。

この芝居のラストで、渡辺はま子(島田歌穂)と、加賀尾秀忍(大和田獏)が交わす会話

 

はま子「二十一世紀には、この世界から戦争は無くなるでしょうか。」

加賀尾「...どうでしょう。」

 

この台詞は重い。

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三寒四温

2025/03/12
【第2009回】

昨日は、東日本大震災発生から14年目。いまだ避難生活を余儀なくされている人は、2万7615人。原発周辺の町、村は戻ってくる人も少なく見捨てられた状態です。昨日も、嘗ての村のお祭り、桜並木、自然に恵まれ日々幸せに過ごした時間を懐かしく話されていた人達の無念の表情が印象的でした。

なのに、東京電力のお偉いさん方にはなんの罪も科すことなく無罪の判決。かたや政府は原発削減のお題目を消し去り、更なる原発増設を打ち出す有様。一体全体この国はどうなっているんや!と言いたい。今も国会開会中、与野党共々駆け引きに躍起となり所詮党勢拡大のために右往左往してる姿が見えるだけ。ほんまに国の未来を真剣に考えているんだったら、与野党どちらでもいいから一刻も早く議員数削減の提案をしてくださいな!大臣のたらい回し、いきなり大臣に指名されても専門職じゃないので官僚のロボットでしかない存在。無駄な議員が血税で優雅な暮らししているのにいまだ許容される不可思議な世界が続いています。やっとこさトップになれた方もそれなりに汗かいているんだろうけど、いまいち覚悟がないね。蚊帳の外に置かれていたときの理想論が懐かしく思ってしまいます。

いずれにしても被災列島日本、何回被災しても学ばない政府、行政に腹たちますがな...

未だ行方不明になった妻を探しに、潜水士の国家資格を取得し海に潜って捜索する男性の姿を為政者はどう感じてるんだろうか?人の痛みをわがことのように思える人が国を治めてもらいたいのだが、どうやら見果てぬ夢なんでしょうかねこの国は...

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弥生の空

2025/03/10
【第2008回】

先週の週末、新宿御苑にあるシアターサンモールでMUSICAL「O.G.」を観劇。2016年にキャパ80席の劇場でスタートした阿知波悟美さんと、旺なつきさんによる芝居です。両ベテラン女優が自分たちのやりたいことをやる!という強い意志でスタートしたに違いありません。俳優の仕事は基本的に待つ仕事なんですが、待ってばかりだとあっという間に人生終わっちゃいます。この芝居は阿知波さんが企画したそうです。トムでも2023年に上演した「沼の中の淑女たち」で、出演者の一人が病気で降板した際に急遽引き受けて頂き10日間ばかりの稽古で見事な芝居を魅せてくれました。帝劇のミュージカルから小劇場にわたるまで幅広く活躍されている実力派女優の一人です。

今回の芝居は新宿歌舞伎町から舞台は熱海のスナックへと変わります。二人が再会し物語は17曲の歌を交えて進行していきます。決して若い年齢ではない二人(オールド・ガール)のパワーは半端ではありません。歌詞の中にも、今置かれた状況を面白可笑しく哀しい言葉が発せられます。同世代の女性観客にしてみたら共感と共に、まだまだ頑張って生きて行かなきゃ!なんて気持にさせられますね。

 

今日は1945年3月10日の東京大空襲から80年が経ちました。犠牲者は、推定で10万人以上。実は80年たっても犠牲者の遺骨のほとんどは名前がわかっておらず、今も、都内の施設に安置されています。過去の悲惨なこの事実を、この目まぐるしい世界の状況下なかでも忘れてはならないと思います。

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今日の神田川

2025/03/07
【第2007回】

来週、15日~16日、2日間、両国シアターΧ(カイ)で上演する「モンテンルパ」の稽古が始まりました。初演はコロナまっただ中、観客数制限付の2021年1月でした。無事に公演が終わったときの喜びは今でも忘れることが出来ません。再演が2024年2月東京、東北併せて20ステージ。そして今回が再々演、公演を重ねる度に芝居が立体的になってきたと思います。特に再演時、台本を大幅に改訂したことによって日本軍の加害者としての立場を鮮明にしたことが大きな要因。戦争の本質そのものが加害者、被害者で成り立っています。

と言うことは勝者、敗者いずれもなんの得もない不毛の消耗戦。なのに、未だ一部の独裁者の独善的な思想、行動で世界を不安に陥れています。

先日、ある若い演劇愛好家の女性と話す機会がありました。彼女曰く、「戦争に関する芝居は極力観ないようにしていました、なぜなら辛く悲しくなる...」そんな彼女が、「おばぁとラッパのサンマ裁判」を観て気持の変化が起きたとのこと。要は創り手の創意工夫ひとつで悲惨な光景さえ、未来を見据えた希望へと変貌出来うると...芝居の可能性を感じます。歴史的事実を芝居のチカラで観客の想像力を喚起させる時空間にしてしまう。

今回は短期間での稽古になりましたが、キャストの皆さん初日から立ち稽古ながら台詞がばっちり入っておりました。今年は戦後80年という節目の年、そしてウクライナ、ガザなど一触即発状態。演劇を通して、少しでも平和な世界にしたいという気持の表れだと思います。

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晴天の白梅

2025/03/05
【第2006回】

新宿アルタが、つい先日2月28日をもって閉店となりました。アルタのまえは食品百貨店二幸ビルが建っていました。1970年前後はその前のグリーン広場ではヒッピーがたむろし道行くサラリーマンに自由奔放さを見せつけていました。その周辺では日々、人だかりができ政治、社会、芸術などなど、それぞれがそれぞれの意見を述べ合い、これからの国の在り方やら国際情勢を語り合っていました。時には、殴り合い寸前なんて過激な論戦もありました。今からでも遅くない!なんとかすればマシな国になるという熱気が漂っていました。

その後、1980年に二幸跡地にスタジオ・アルタがオープンし新宿広場の熱気も冷め穏やかな場所と変わりました。1982年にはその後32年続く長寿番組「フジテレビ「森田一義アワー 笑っていいとも!」が開始。皆勤するタモリさんの姿も度々見かけましたね。アルタビルの裏側にあった楽屋口にはその日出番があったゲストを待つ出待ちのファンがたくさんいました。おいらはその少し先に会ったジャズ喫茶DIGに一目散、たまには同じビル1階にあったロールキャベツの店アカシアで舌鼓。

おいらも新宿ぶらぶら散策60年。この広場で見た光景そのままが時代の趨勢そのものでした...今は無味無臭、多くの外国人が新しく出来た3Dで写し出される猫のビジョンを眺め新しい街新宿を闊歩しています。そういえば怪しげな輩も少なくなりましたね...新宿の面白さは得体が知れない変人奇人が自由に徘徊する街でございました。

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さようならアルタ

2025/03/03
【第2005回】

今年の「おばぁとラッパのサンマ裁判」3月2日大阪で無事千秋楽を迎えることが出来ました。東京公演後、千葉、長野、茨城、福井、和歌山、そして大阪。なにせこの季節ドカ雪注意報で交通手段に悩まされました。新幹線のチケットは取ったものの、ストップすれば次なる手を打たなきゃならないし、大道具を運ぶトラックの運行状況にも一喜一憂。幸いにして全て予定通りに公演が出来、あらためてこの芝居にかかわったすべてに感謝です。

そして雪の中、各会場に来て頂いた地元の観客の皆様にはただただ頭が下がる思いです。そして何よりも、「初めて観た芝居がこんなに面白いものだとは知らなかった...これからも観続けたい!」なんて声が返って来ると、こちらもよっしゃ!となるもんでございます。

しかしながら、今回の公演、後半になりスタッフのなかに食あたりなど発生しハラハラドキドキもありました。と言っても、地方公演の楽しみは何と言ってもその土地の美味しいものを食べることは外せません。後半ともなると厳しい旅行程の中、心身共に疲労のピーク、体調万全でない時期の慣れない美食は身体が受け付けないのかもしれませんね。

先週の土曜日、久しぶりに新宿ゴールデン街に出かけました。相変わらずぶらぶらしている人の8割が外人なんですから、昔の面影は外観だけという有様。半世紀通い続けているおいらもなんだか遠慮しながらなんとか「ガルガンチュア」に辿り着きました。81歳になるママ石橋幸さん(通称タンコ)は元気でホッとしました。悪しきロシアではなく体制を批判した詩人など、古き良きロシアの庶民の歌を今尚歌いながら店を仕切ってる姿は嬉しい限りです。

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外国人に人気のゴールデン街