トムプロジェクト

2025/04/04
【第2018回】

昨日は懐かしいスペイン語に浸れる一日でした。映画「エミリア・ペレス」を鑑賞。冒頭からスペインの鬼才アルモドバル監督の作品じゃないかしら?と思いきや、フランスの名匠オーディヤール監督でした。メキシコを舞台に予測不能な展開、そこにミュージカルが入り込み一体全体この作品どう見て良いのか観客の脳は激しい揺れを催す。人間の持つ本性欲望を原色に近い形で表現していく監督の手腕は並々ならぬものがある。これまでのミュージカルでは、突然歌い出すとか不自然な感じがしたものだが、この作品をそんなことがない。台詞と感情がそのまま歌として流れ、より役の感情に添える展開となっている。

起用した俳優の一癖二癖ある二人がストーリーを引っ張っていく。実際のトランスジェンダー俳優カルラ・ソフィア・ガスコン、今回のアカデミー賞で助演女優賞を受賞したゾーイ・サルダナ、二人の表情を至近距離で追うカメラワークが秀逸である。しかも二人が静と動、役者の力量はもちろん、監督の役者に対するリスペクトを感じる。

この映画を観ながら思ったことは、今の世の中すんなりとことが運ぶこともなければ、なにが正解なのか判断、予測不可能。カオスそのままを提起し、あとは観客がそれぞれに未来社会をどうすれば良いのかを思考、行動するしかない!と言っても、計画通りに進まないのが人生でございます...となれば一度きりの人生、好きなことを見つけて悔いのないように生きるしかございませんね。

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久し振りの青空と雲

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