トムプロジェクト

2025/08/08
【第2069回】

どんな店にも歴史やエピソードがあります。昨日久しぶりに訪れた明大前にあるジャズ茶房「マイルス」。オープンが1960年というからかなりの老舗のお店である。1966年にはあのジョン・コルトレーンも訪れたというから驚きである。この店のオーナーであるママ(本山雅子)さんがなんとも素敵な方でした。若い頃、ジャズにはまり結婚相手も振り切って店を始めたというから、まさしくジャズと結婚したということでしょう。オープン当時コーヒー50円時代に、海外のLPレコード¥3500、その珠玉のレコードが5000枚ばかりあることからどれほどジャズに恋したかが分かります...そんなレコードを愛でるように針を落としカウンターの中でのノリノリの姿を見ているだけでこちらも嬉しくなってしまう始末。どんなお客にも平等に接し、余計なことは一切喋らないスタイルも格好良かったな...そんなママも2019年3月に亡くなり閉店の運びとなったのですが、多くの常連さんの後押しで3カ月後に再開しました。週の前半、後半、2人の男性が担当し今尚「マイルス」は生き続けています。昨日も10人で一杯になる席に8人いたので大丈夫だと思いました。おいらの隣には若い女性がレコードのジャケットを手にして熱心に聞き惚れていました。以前、明大前に住んでいて常連客だったのですが、つい最近兵庫に居を移し久しぶりに来たとのこと。「マイルス」でジャズ愛好家となり全国あちらこちらのジャズ喫茶を訪問したのだが、この店がナンバーワンだと話していました。この店の歴史が積み上げた名状しがたい雰囲気が漂っていることは確かです。いや、ママが創り出したジャズファミリーの館かな。

明日は長崎に原爆が投下されて80年。あの記憶と記録を、忘れることなく後世に伝える責任が今生きている人間にはあると思います。

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65年の歴史

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