トムプロジェクト

2025/09/24
【第2088回】

昨日は池袋東京芸術劇場で、あやめ十八番第十八回公演「草創記 金鶏一番花」を観劇。

テレビジョンが誕生する過程のなかに当然遭遇する戦争、そして歌舞伎の世界。三つのテーマをめまぐるしい場面展開ながらもうまく纏めてることに感心しました。この劇団の主宰者が、15年劇団花組芝居に在籍していたことも芝居の内容をよりリアリティをもたらしている。それにしても総勢24名の出演者、しかも音楽は生演奏、随分とお金がかかってる芝居と見ましたが...そうなんです、人件費、材料費、劇場費などなどすべて値段が上昇している昨今、演劇の世界もギブアップの状態。トムもギリギリの値段設定で何とか凌いでいます。文化に理解があるヨーロッパと違い、この国のアートに対する理解度ははなはだしく低いものがあります。アートの泉が枯渇した時、間違いなく国は滅びの道を辿るでしょう。

昨日の芝居も正直そんなに期待していなかったのですが、演劇を愛する心情が随所に観ることができ幸せな気分で劇場を後にしました。東京芸術劇場は東京都が運営する劇場ですから、こうした若手の劇団を応援しこれからの演劇界を背負ってたつ演劇人を育てて欲しいものですね。

2088.jpg

久しぶりの東京芸術劇場

<<次の記事 前の記事>>