トムプロジェクト

2026/05/25
【第2184回】

「チョークで描く夢」昨日で5ステージ終えることが出来ました。O氏より速達の葉書が届きました。

「チョークで描く夢」は悪人のでてこない心に染みる作品です。役者各位も善意の人々が集う世界をよく理解して登場人物を演じ観る者に暖かな風を届けてくれました。帰路心に優しさが充満している自分を感じ足も軽くなりました。人が人を思いやる大切さを再認識した観劇でしたが自分に振り返り反省点もあります。小学校に当時特殊学級と呼ばれるクラスがありました。何故か他の児童たちは恐がっていました。乱暴な振る舞いや理解しがたい言葉を耳にする毎に。そのクラスの先生は「恐いのは君たちの心にある差別だ。それが彼らを怯えさせるのだ」と常々言っていました。今日改めてその言葉の意味を噛みしめた次第です。そして自分の中にある拘りも実は同じような心の動きであることに気付きました。人への自己流の押し付けは他人を不便にさせるのだと納得しました。ワタシひとりが幸せでいるより他の人と一緒に満ち足りた時間を持つほうが豊かな気持ちになれると悟された2時間でした。劇場にこの教訓を持ち込んだ制作者に拍手!です。感謝。

尊い時間と、お金を払って劇場に足を運んでくれる人達に、なにかひとつでも感じて頂き少しでも平穏な世の中になって欲しい!そんな思いが伝わると、これまでの辛労も吹っ飛んでしまいます。昨日は両国国技館大相撲5月場所の千秋楽、若隆景(ワカタカカゲ、早口言葉に取り上げてもいい呼び名です)が優勝決定戦で大関霧島を破りおおいに盛り上がっていました。

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葛飾北斎が愛した町、両国

2026/05/22
【第2183回】

「チョークで描く夢」昨日で2ステージを無事終えることが出来ました。初日はさすがに役者さんも緊張することもあって、若干の固さも見られましたが概ね順調なスタートを切ることが出来ました。かといって、芝居は日々進化するモノであり演出家、プロデューサーも気を抜くことなく常にチェックしながら改善すべきところは意見し、昨日よりも今日、最善の舞台をお客様に提供すべく精進に相務めているのでございます。その成果が、即2日目に如実にあらわれ充実した芝居に仕上がっていました。この業界でよく言われるのが、初日の幕が開き2日目は役者の安心感からダウンしちゃうことが通例と言われています。

観劇後のお客様から「こんな素敵な芝居7ステージで終わるなんてもったいないですよ。たくさんの人達に観てもらいたい!」なんて言葉を頂くと、確かに今回の芝居、全国の老若男女の皆さんに劇場に足を運んで頂き実感して貰いたいという願いから創作した作品です。

題材的にもナーバスにならざるを得ない作品を、笑いと涙を交えながらの2時間、観客を舞台に集中させる中津留ワールド、なかなかのもんだと思います。

会場がある両国、大相撲5月場所開催中です。両国国技館前にはおおくの相撲ファンが人気力士の出待ちで賑わってました。お相撲さんの持つ独特の魅力、これも日本の歴史が培ってきた文化なんですね。

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相撲と芝居の町、両国

2026/05/20
【第2182回】

栃木県上三川町の住宅で発生した強盗殺人事件。実行犯がいずれも16歳の高校生4人だというのも驚きだし、殺害の仕方が残虐だったということも言葉を失ってしまう。そう言えば、家近くの広場でいつものように集まる子供達が会話をすることもなくタブレットを手にして時を過ごしてる異様な光景に近未来の不安を感じていた。子供達の身体がIT(情報技術)AI(人工知能)に取り込まれ、人間本来が持つ感性が劣化しているのではないか?

今回の少年達に人並みの想像力を持ち合わせていればこんな行為には及ばなかったと思う。

昭和の時代、町の駄菓子屋でおばちゃんと交わす何でもない会話のなかには学校でも学ぶことができない生きるヒントと、人の優しさ厳しさを身体で感じたものである。確かに、ここまで文明が進化してしまえば、本来あるべき万人を軸にした内心の豊かさを取り戻すことはなかなか難しいと思う。正直言って絶望的な未来の予感でしかない。先日の米中会談然り、世界を大国が支配し弱者を救済するどころか略奪しかねない状況だ。

と言っても、おいらも生かされている以上何とかせねばと知恵を絞ってはいるものの限界はある。幸いにして、この世の中でローテク産業の端くれに居ますので、少しでも血の通ったものをと芝居創りに励んでいる日々でございます。芝居小屋が唯一体温をより感じながら、やはり地球人の一人として原点に返らねばと考察出来る場でなかろうか...今日から始まる「チョークで描く夢」もそんな芝居です。

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そろそろ出番かな

2026/05/18
【第2181回】

昨日は錦糸町にある稽古場に行って来ました。明後日から始まる「チョークで描く夢」の最終稽古、13日に初見したときに比べ遥かに良くなっていました。間近に迫った役者の緊張感からかテンポ、リズムともども数段アップ。芝居というナマモノ、本番に向けての調整がなかなか難しい。早く仕上げ過ぎると芝居のやりとりが段取り芝居になってしまうし、本番間際だとこれまた窮屈な芝居になってしまう。そのあたりを上手くコントロールできる役者こそがプロの役者と言えるのでは...昨日の役者の動きを見ていても、その違いが顕著に出ていましたね。演出家のノート(以前まではダメだしと言われていたのですが、言葉狩りにあってこんなことになってしまいました。ダメはダメでなにが悪いのかいな?まったくもって窮屈な面白味のない世の中になってしまいましたね)がなかなか届かない役者が居たと思えば、阿吽の呼吸で理解できる役者、じっくり身体に時間をかけて咀嚼する役者、共通言語が一様に浸透しないところが、これまた面白いところです。芝居のなかでの台詞にもあるのですが「常識が何だというんです。普通じゃなければいけないと、一体誰が決めたんですか。わたしたちには、差別をなくす社会を目指す思想と、それを実現できるだけの素晴らしい個性をもった人材がいます。」この個性という定義がなかなか難しいのでございます。なにを根拠した個性なのか?演出家のノートを聴きながら、一歩間違えればそのひとの個性を潰してしまうのかも知れないな...そんな現場を数多く目にしてきたおいらとしてもその辺の見極めはいまだにグレンゾーン...個性的な役者かどうか?まずは劇場に足を運んで確かめてみてはいかがですか。

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杉並区立柏の宮公園

2026/05/15
【第2180回】

来週の5月20日(水)から上演する「チョークで描く夢」の稽古場に行ってきました。

50年以上も知的障害者雇用を続けてきたチョーク工場の話である。今でこそ、健常者と障害者が共に生きることを普通に考えることが出来る世の中になってきたのだが、50年前に実践した人たちの苦労は並大抵のことではなかったのでは?と容易に推察できる。

今回の芝居も、ナーバスにならざるを得ない部分も多々あったのですが、その点は十分にわきまえながらも表現を通して訴えなければならない部分はやり通したつもりです。

稽古を観ながら感じたことは、現世において健常者と思っていた人が実は深刻極まりない障害者であったり、逆に障害者の方々が実に人としての在り方を指示してくれることが多々あるということ...それだけ世界は複雑怪奇の様相を呈し、健常者と障害者の見分けすら難しくなったと言えるのではないだろうか。

この難しいテーマを背負いながら役者さんたちは七転八倒の稽古の連続であったと思います。勿論、作演出の中津留章仁も以前主催するトラッシュマスターズで公演した作品とはいえかなり大幅に設定も含めて変更したので大変だったのでは。

混迷するこの社会において、この作品が未来へのなにがしかのヒントになればと思っています。演劇だけにしか体験することができない生の感覚を、芝居に最も適した劇場で是非ご賞味ください。

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アンネのバラ三色御揃い

2026/05/13
【第2179回】

東京のいや日本の様々なアートに活を入れ続けたアバンギャルドな街である新宿。そのシンボル的な存在であったジャズ喫茶DUGが来月で閉店します。1961年、写真家・中平穂積さんがジャズへの情熱を起点に新宿でジャズ喫茶「DIG」を開店。1967年には、より自由に会話や酒を楽しめる場として「DUG」へと発展させた店です。おいらは学生の頃「DIG」に入り浸りでした。鰻の寝床みたいな店内で、私語禁止のなか読書しながらいろんなジャズを聴いていました。オーナーの粋な佇まいを見ながら歳を取った暁にはジャズ喫茶をやりたいなと朧気ながら夢見ていました。その備えとして当時高額であった輸入盤のジャズレコードを買いまくっていました。そしてアルバイトと芝居で疲れた身体を癒してくれたのが、これらのレコード盤でした。

ジャズ喫茶の夢は果たせなかったのですが、今でも個性溢れるジャズ喫茶には東京のみならず旅に出たときにも地方の名店には顔を出すようにしています。あまり商売にもならずともこよなくジャズを愛する店主の気骨に惚れ惚れしてしまいます。人生すべて金じゃないよ!おのれの人生哲学を信じ全うするひとたちにどうしてもエールを送りたくなります。

一度きりに人生じゃありませんか...好きなことに徹底的に拘りながら生きていくのも美学だと思います。

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お疲れさま、そしてありがとう!

2026/05/11
【第2178回】

今週も夏日の一週間になりそうな気配です。世界の混乱に寄り添った天候に世間の人達は随分と戸惑っているんではないでしょうか?

それにしてもライオンズ一体どうしたんでしょうか...シーズンが始まったそうそう、打撃陣がさっぱり打てなくて、今年も最下位、良くても5位で終わってしまうと思っていたのに、なんと首位に2・5ゲームまでに迫ってきました。昨日、勝利して4連勝なんて夢のまた夢状態でございます。この第一の要因は故障していた一塁手ネビンの復活、復帰後9試合で打率・485(33打数16安打)、4本塁打、10打点。この驚くべき数字で4番の柱が出来たので周りが一斉に繋がり、チーム打率がリーグワーストだったのが一気にトップになりました。昨日、母の日のヒーローインタビューでは2週間前に来日した母親と夫人、1月上旬に誕生した第1子の長男が球場で観戦していたこともあり「家族は大切な人であり、全員本当に愛しています...」涙ながらに語る彼はほんまにナイスガイです。

この快進撃には、もう一人の野手、平沢大河を忘れてはなりません。仙台育英学園高校での甲子園活躍を評価され2015年ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに鳴り物入りで入団するも8年間今一つの成績。2024年に現役ドラフトでライオンズに入団、今年で2年目になるのだが、まるで別人のような活躍。元々あった才能、環境が変わっただけでこんなに変わるもんだという良い見本です。この世の中、万事塞翁が馬でございます。今不遇の身だと嘆いている方々、決して諦めてはなりませんぞ!あなたのすぐそばに福の神がいるんじゃないかしら?

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暮れ際にオレンジ色の雲の彩

2026/05/08
【第2177回】

昨日は神保町に行って来ました。世界最大の古本屋が軒を並べている風景は昔から変わりません。おいらが学生時代にお世話になったパチンコ店「人生劇場」は無くなっていました。玉が出たときは新刊の文学書と交換できる得難いお店でした。戦利品を手にしながら食する、隣にあった中華屋さん「伊峡」(現在は別の所に移転)の半ちゃんラーメンも絶品でした。最近はこの街も外人客が多数訪れ活気を呈しています。そして街のシンボル的存在であった三省堂書店も今年の3月に「Entrance to World(世界の入り口)」「歩けば、世界がひろがる書店」なんてキャッチフレーズでリニューアルオープンました。従来の棚づくりと違って、店内を歩きながら偶然に出会う本たちとのスリリングな時間は思いのほか楽しゅうございました。

この日は、長年の友人と先ずはシェリー酒とスペイン風おつまみを出すお店で乾杯。10席ほどのカウンターだけの店なのだが、なぜか落ち着くのはカウンターに入っている店主の人柄ではなかろうか。久しぶりのシェリー酒、やはり渋いですな。スペインに暮らしていたときの寝酒がシェリー酒。この酒の良さを知る人達とは相性が良いのかもしれませんね。

第2ラウンドは、ジャズ喫茶「オリンパス」、昨年4月に閉店し残念な思いをしていたのですが再開となりました。この店の名物は「赤いチキンカレー」岩手産の鶏肉がこれまた噛めば噛むほど良い味を出してくれるんです。そのあとはタンカレージンのロックを手にして、マイルス・ディヴィス、キース・ジャレット、セロニアス・モンクのレコードを堪能しました。大音量でジャズを聴く時間はまさしく至福のひとときでした。

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アンネのバラ2

2026/05/07
【第2176回】

長いGWも終わり、5月の仕事の始まりです。それにしても5月2日、東京ドームでのボクシングは見応えがありましたね。世界バンタム級4団体統一王者、井上尚弥と中谷潤人の一戦。共にこれまで32戦全勝同士の見事な試合でした。前半はお互いに探り合いの展開、中盤から井上選手が攻撃を仕掛け中谷選手がカウンターを狙う様相。終盤はお互い隙をみながらの激しい撃ち合い。決定的なパンチが届かなかったのも、両者のボクシングテクニックが並外れたモノを持っていたからだ。観客は本当のところはKOシーンを期待するものだが、これだけの熱量と緊張感の連続を魅せられると大満足。試合の途中、お互いに決定的なパンチを外した後に笑顔で見つめ合うシーンを見たときに、二人のアスリートの人間性が垣間見えた感じがしました。殴り合うという最も激しい格闘技でありながら、感動を与えてくれる試合なんてそうそう目にする機会がないので、ボクシング界にとっても記念すべき日だったに違いない。

おいらも若い頃、真剣にボクサーになろうと思った時がありました。倒すか倒されるか、あの一瞬に賭けたスリリングな場が眩しかったな...その代わりなのか、柔道、空手に夢中になったのは、やはり格闘家の血がどこかに流れていたに違いない...考えてみれば、芝居も似たような匂いがしますね。舞台という名のリングでの丁々発止のやりとりが果たして観客の心を鷲づかみに出来るかどうか...まさしく真剣勝負でございます。

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アンネの薔薇

2026/05/01
【第2175回】

今日は朝から雨が降っています。家のベランダから眺める樹々がなんだか嬉しそうな表情にみえました。いつものように、誰に頼まれることなく決まったように若葉を咲かせてくれる自然界の恵みに感謝です。最近、日本各地で山火事が発生していますが黒焦げになった森林の姿を見るたびに悲しくなってしまいます。一本の木が立派に成長するには50年かかることを思えば、森を大切に守ることがいかに大切だということを今一度肝に銘じたいと思います。森林は二酸化炭素を吸収して気候変動を抑える役割があります。伐採や火災で失われると吸収が減り、逆に蓄えていた二酸化炭素が放出されて温暖化が加速します。地球温暖化による災害、漁獲量の変動、農産物への影響などなど、地球そのものがやせ細っていくイメージしかありません。

話は変わって、最近、国会前でのデモが頻繁に行われるようになりました。その様子を何故かNHKでは報道されないとニュースが流れました。昭和の頃は幾度となくデモを通じて時の政権の不正を追及する姿を度々目にしました。そして時代の流れと共に何だかデモ自体が社会に受け入れられなくなってしまいました。見て見ぬ振りするよりも、自ら行動して権力に対峙する姿勢は大切ことだと思います。その映像を見て、「よし!自分もアクションを起こさねば戦前の日本になってしまう...」なんて人が声を上げるのも確かです。NHK内でなにが起こっているのか分かりませんが、ちゃんと報道してくださいね。

明日から、会社も連休期間に入ります。次回の「夢吐き通信」は5月7日です。皆さんも穏やかで楽しい連休でありますように。

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亀の甲羅干し