2026/06/10
【第2191回】
昨日は、杉並区にある座・高円寺で上演されている劇団温泉ドラゴン×劇団58ROUTE日韓共同制作「長正炭鉱―生きたかった」を観劇。このドラマは、1942年2月3日、山口県宇部市の長正炭鉱で水没事故が発生し、183人が犠牲になった事実に基づいて創作。事故直後、坑道はコンクリートで閉鎖され、多くの犠牲者が出たということは80年以上語られることがなかった。浸水しはじめた坑内のエアポケットで生き延びるために息をひそめる坑夫達。そして、海底に沈む坑道の前で遺骨収集と真相究明を求め続けた今を生きる人達。舞台は、過去と現在を行き来しながら進行していきます。
日本と韓国との歴史の間に今尚、隠された出来事が沢山あります。日本と一番近くにありながら喧々諤々、闇の歴史をなかったこととする人があり、一方今回のような事実を郷土史家が記録し世に問う人も居ます。要は、隣国とよりよい関係を持つことが重要なこと。政治のレベルでなかなか解決できない諸問題を演劇という手段を通じて両国の信頼関係を少しでも取り戻せないかという演劇人の心意気を感じました。
今回は韓国の俳優さんも5人参加していました。同じ痛みの前で、言葉も文化も異なる表現者のぶつかり合いはスリリングなものがありました。まさしく舞台は国境を超える。
今尚、争いが続く国々の人たちも、こうした文化交流を通じてなんとか和平への道をこじ開けて欲しいのだが、大国のあの顔ぶれだと残念ながら難しそうですね。

威風堂々

