2026/06/01
【第2187回】
先週の土曜日は、東京芸術劇場にて劇団チョコレート「帰還不能点」を観劇。この芝居は2021年に初演して以来今回が4度目の公演である。舞台は1950年、敗戦から5年経ったある日、9人の男たちが場末の小料理屋に集うところから始まる。彼らは日米開戦前夜の1940年に首相直属機関として設立された「総力戦研究所」の1期生であり、内務省、外務省、陸海軍、日銀などの中枢にいた元若手エリートたち。この日は店の女将の夫で日銀出身者の三回忌。勝てるはずのない戦争に「なぜ戦争になったの?」と問いかける女将の言葉をきっかけに、一同が、それぞれが戦時中の指導者たちに扮しながら即興芝居で、軍部や閣僚たちの言動を再現し始める。この設定がいかにも演劇的手法でなかなか効果的である。史実をそのまま伝えるのではなくワンクッション置くことによってより劇的にしてくれた。そして何度も再演を重ねてきた成果を十分に感じとることが出来た。
この芝居の中で、戦争に突入することへの是非を熱く語ったにも関わらず止めることが出来なかった事実。そして今の現実、戦前を思わせる事態がすぐそばにまで迫っているのに、なんだか危機感のなさをどうしても感じてしまう。歴史の教訓から学べ!と何度も目に耳にするのだけど、島国ニッポンの鈍感さなのであろうか...
今日から水無月、「水の月」で、水を田に注ぎ入れる月です。雨模様のなかでひっそりと咲く紫陽花を眺めたいのだが、この異常気象、早や夏日の連続にたまの雨が豪雨ときたもんですから情緒もへったくれもございません。

紫陽花は雨の匂いを待ちこがれ

