トムプロジェクト

2026/07/10
【第2204回】

我が故郷、福岡が揺れている。福岡県議会で議長と副議長を務めた県議2人が、就任前に自民党県議団の幹部の要求に応じ、多額の現金を支払ったと証言。福岡と言えば昔から気性が荒っぽいヤクザもんがごろごろしとりました。暴力団の抗争も日常茶飯事、安心して住めるところとは言い難いですね。そんな土地柄ですから政治の世界でも決しておかしくないでしょう。なんと言っても、あの黒いハットがお似合い?の自民党副総裁の地盤ですからね。この一族が経営する企業の看板を福岡に行くとやたら見かけます。この一族に反旗を翻したらいかなる末路が待っているのか...なんだか東映ヤクザ映画に出てくるシーンを彷彿させますが、現に今回の報道を見れば昔からなんら変わっていないと思わざるをえません。

そして、又新たな事実、現福岡市長が2010年の市長選初出馬が決まった直後に、当時知らない議員から呼び出されて金銭を要求されたとのこと。選挙活動費とかの名目で5000万円をもってこいと恫喝され、現ナマなきゃ家売ってこいなどと言われたそうだ。これまたヤクザの手口ですな。こんな人達が県議会、市議会を牛耳ってるから、いまだ博多にはちゃんとした芝居小屋がないんですね。おいらも十数年前に、当時の市長に直談判で芝居に相応しい300~500人収容の劇場を造って欲しいと市庁舎に乗り込んだのですが未だ実現していません...そして今度は、福岡県知事と議長らのパリ視察に5000万円。その疑惑の質問に、当事者が視察を旅行と言い間違える始末。本音がポロリと出た笑えない瞬間でございました。

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風なくも 匂いを放つ 垣の百合

2026/07/08
【第2203回】

先週の土曜日は西日暮里に出かけました。下町であるこの地は、江戸時代には江戸で暮らす庶民の行楽地としても有名で、日が暮れるのも忘れるという理由で "ひぐらしの里"と呼ばれていた経緯があります。唐十郎さんの作品にもこの辺りを舞台にした作品が数多くあります。改札を出ると雑多な大衆居酒屋が密集しています。その一角に、何故か本格的スペイン料理とフラメンコライブが楽しめる老舗の「アルハムブラ」があります。なんと1971年の創業の老舗、西日暮里の大衆的な雰囲気とスペイン下町で見かけるタブラオ(フラメンコ&ディナー)がある土地とがどこか似通った雰囲気があります。

この日は長き友人であるグラシアス小林率いる舞踊団の公演を鑑賞。30年間のスペイン生活を経て東京に舞踊団を構えて来年で25年になるそうだ。元々は青年座の俳優でしたが、日本を飛び出しスペインの地でフラメンコダンサー、俳優、プロデューサーなどマルチな活動を経験したものを財産として次世代のフラメンコダンサーを育てています。彼の規制の価値観にとらわれない発想を若い人たちが受け継いでいけば日本での新しいフラメンコが誕生するのでは?と楽しみにしています。

この日ラストに登場したグラシアス小林、今年78歳になる身体からは肉体の衰えを感じながらも"フラメンコは己の生き方そのもの"と言いきる彼の哲学が漲る凛とした舞姿はさすがでした。表現者にとって年齢なんぞは関係ありません、命ある限り邁進するのみでございます。

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生涯現役

2026/07/07
【第2202回】

今日は七夕、空の星・織姫と彦星が年に一度会える日といいいますが、さすがに昨今の世の中の現状を憂いた話になるに違いありません。

生後18か月のときに高熱が原因で視力と聴力を失いながらも、世界平和運動に生涯奔走したヘレン・ケラーさんが、もし3日間だけ視力が与えられたらどんなことをしたいとの問いにこう答えました。まず自分を支えてくれた大切な人たちを見たい。翌日は人類のこれまでを見るため博物館や劇場を、3日目は働く人を見るため大都会を訪ねたいと。

五体満足な身体で生まれながら、ただ己の欲望を満たすために戦争を仕掛ける権力者、利権優先のために政治家になる輩、地球環境を無視し会社の利益のみを追求する経営者、こんな人たちがトップに存在する限り世の中が良くなるはずはない。トップに立つ人間が弱者の視点で思考し行動した時にはじめて豊かな社会の扉が開かれると思います。

あのトランプ、今話題のワールドカップサッカーにも口を出し、レッドカードで出場停止なった選手を出場可能にしたのですが、残念ながらベルギーに負けちゃいました。権力を乱用しても神様はちゃんと見てらっしゃいますよ...裸の王様トランプが、きっとそのうちに身の丈に合ったところに落ち着くのも時間の問題だと思いたいものですね。

そして韓国。サッカーの試合で負けたことから思わぬ展開、この国の政治も含めてなかなか理解できないことが多々あります。考えてみれば、アメリカとソ連による代理戦争によって引き裂かれた国家の残滓が影響してるかも知れませんね。

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雨あがり 百合のしずくに 光さす

2026/07/03
【第2201回】

梅雨明けはまだですが来週末辺りから本格的な猛暑が襲来しそうです。

おいらの新宿地回りも60年経ちますが、あちこちの再開発工事で新宿もだいぶとっちらかっていますね。新宿のシンボル的存在であった東口前のアルタビルもすっかり解体され寂しくなっちゃいました。「笑っていいとも!」に出勤するタモリさんも何度も見かけました。車からとぼとぼと歩く姿はごく普通のおじさんで、本番になるとエンジン全開、自然体を演じながらタモリスタイルを連発するところがさすがだなと感じました。このビルの裏にあったジャズ喫茶「DIG」は、おいらの読書室でもありました。その後、移転してオープンした「DUG」も先月の26日に閉店。このふたつの店で聴きまくったジャズの名曲、おいらの青春の伴走者でもありました。変わらないものの代表格が紀伊國屋書店ですね。本屋さんが次々と消えていく中、この書店だけはいろんなアイディアを出しながら新宿文化の屋台骨になっています。そして何よりも紀伊國屋ホールの存在は大きいと思います。芝居屋にとって、いつの日かこのホールの板の上に立ちたいというのが、双六で言うところのあがりでした。今でこそ幾多の演劇賞がありますが、この書店が1966年創設した紀伊國屋演劇賞は今でも演劇人にとっての憧れの賞です。

今尚残っているのは、伊勢丹、天ぷらのつな八、寄席の新宿末広亭、カレーの中村屋(建て替えて無粋になっちゃいました)そして今や外人観光客の人気スポットになった新宿ゴールデン街...時代と共に変化するのは自明の理、若い頃芝居やっていた時に、こんなセリフを喋ったことがありました「変わらないもの、それは変わろうとする意志だ」。つまり環境や状況、感情や人間関係は変われども、前に進みたいという気持ちだけは、何度折れてもまた立ち上がろうとして、結果的にその人の核として残り続ける、ということなんですね。

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新宿東口アルタ跡地

2026/07/01
【第2200回】

今日から文月、いよいよ夏本番ですね。又もや、猛暑の予感がしています。

6月28日においらが住んでいる杉並区長の選挙の結果が出ました。現区長であった岸本聡子さんが圧勝、自民推薦の候補に2倍以上の差をつけました。再選を決め、陣営関係者と喜びを分かち合う人達のほとんどが女性ってところがいいですね。古い体質がいまだに抜けきれない政治の世界で、利益誘導だけを考えているオヤジたちが祝っている光景にうんざりしていただけになんだか嬉しい気分になっちゃいました。岸本さんは今回の選挙でネット選挙のありかたにも一石を投じました。資金力とアルゴリズムに左右される選挙を変えたいということで、ユーチューブなどの有料広告を一切使わず、公開討論会、座談会にすべて出席し、顔を合わせて政策を議論する場を優先しました。政党からの推薦や支持も一切受けず政党色をなくしたのも良かったですね。今の政党政治家にロクな人いませんからね。今の国会の運営を見ていても、この人達どこ向いて政治しているんだろうかと?日々腹立たしい思いをしています。つまるところ選挙に勝つことを優先し、物価高に悲鳴をあげている庶民のことは後回し的なやりとりが続いています。

それにしても今回の選挙、杉並区民の良識にほっとしました。いつの時代もこの良識ってやつが最後の砦となって、住民が主権を持つデモクラシーが維持されるんですね。

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杉並、大宮八幡宮

2026/06/29
【第2199回】

美輪明宏さんが亡くなりました。美輪さんを最初に拝見したのが1960年代後半、おいらは、会社役員を迎えに行くためにハイヤー運転手さんが仮眠していた自動車会社で、ドライバーの起こし屋というバイトをしていました。そのすぐ近くに銀巴里があり、当時話題になっていた丸山明弘(本名)の歌声を耳にしました。歌もさることながら中性的で目鼻立ちがはっきりした容姿に圧倒されました。その後あの名曲「ヨイトマケノの唄」を発表されたときは涙ボロボロ、戦後引き揚げてきて5人の子どもを育てるために道路工事までした母の姿がダブりました。この唄が上京したおいらの応援歌となりました。あの唄を聴く度に母を悲しませることだけはしまいと、ある意味おいらにとっての戒めの唄だったかもしれません。その後、寺山修司天井桟敷旗揚げ公演「青森県のせむし男」で舞台初主演し丸山明弘の立ち姿の美しさに胸高まる思いがしました。男、女という性に縛られることなく己の主張を白日の下に晒す姿は、既成の概念に何のてらいもなく臨む姿を垣間見ることが出来ました。

そして、いまは無き渋谷のミニシアター・ジャンジャンでの舞台では表現者としての意志の強さを魅せつけられました。狭い舞台上で演じる彼の足下にコードが絡まり身動き出来なくなった状態に陥った時の彼の振る舞いはお見事でした。絡まるコードに動揺することなく足でコードを蹴飛ばし何事も無かったように演じていました。

晩年、新宿伊勢丹近くでよく見かけましたね。いつものあの派手なヘアーと衣装でなんら隠す様子もなくごく普通に散歩されていました...何でもあり、他人に迷惑掛けない限り自由気ままに生きることを全肯定した生き方そのものでした。最後まで反戦の思想を貫いていましたが、彼の反戦は政治的な立場での発言ではなく、あの原爆を体験した一人の人間としての言葉だけに重みがありました。そして美輪さんが度々使用する「愛」、研ぎ澄まされた魂からの正真正銘の「愛」だと思います。

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今日にふさわしいアルバム

2026/06/26
【第2198回】

京王井の頭線での光景...おいらのシルバー席前には20代の若き男性が化粧をしていました。普段女性がする同じ仕草ですが、なんと大きなドライヤーも持参し座席には舞台メークでもするような大掛かりな小道具を持ち込んでのものです。周りの気配を気にすることもなく堂々と、まるで自宅の鏡台前でのアクションさながら。途中、シルバー席を目指して着席しようとする品のいいおばあちゃまも一瞬、彼の佇まいに驚いた様子でしたが、恐る恐るでしたがなんとか着席することが出来ました。さすがに座席に置いてあった荷物は自分の膝上に。誰が来ようが一切関心なし、その心境たるもの聞いて見たいもんですな。目と唇に真っ赤な色を彩り、そして次はヘアースタイルに着手、車内で大きなドライヤーを使うのかな?まさか音出しまではしないのでは?なんて想像しながらおいらは明大前で降りました。

最近では、車内で化粧する女性も随分と見かけるようになりましたが、傍から見ていてもあまり美しい景色ではないと思っています。身だしなみに関する工程は、人には見せない準備のプロセスであり、完成した姿だけが公の場に出るので、一人で楽しむ秘密の行為ではなかろうかと思います...今日の秘密の遊びが、他人にどのように映るのか?これがお洒落の本質ではないでしょうかね。

今朝のW杯、日本とスウェーデンの一戦。やはりそう簡単には勝たせてはくれません。引き分けで次の相手はブラジル、今年はいいとこまで行くのではと思いましたが、世界の壁はまだまだ厚いと感じました。体力的にハンディがあるにも関わらず堂々と戦っている日本選手なかなか立派なもんでございます。

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暫しの休息

2026/06/24
【第2197回】

酒井忠康著「舟越桂―森の声を聴く」読了。2024年3月に72歳で亡くなった彫刻家・舟越桂さんのことを記された本である。彼が樹木を削った彫刻には、いつも遠くを見つめるまなざしを持った静かな人物像が多い。生涯を通じて人間に対する飽くなき探求心が創作意欲をかきたてたのではなかろうか...おいらが舟越さんの存在を知ったのは1999年に出版された天童荒太著「永遠の仔」のブックカバーを飾った木彫刻である。正直言って本の中身より強烈な印象であったのを記憶している。その後、舟越さんの作品を観るたびに彼は彫刻家というジャンルを飛び越え文学者、詩人としての顔を持つ真のアーチストだと確信した。

彼の作品は、いずれもどこかに置き忘れた人間に対する、ある種の感応的なまなざしを感じさせる。いろんなかたちで、記憶の中の人間的な出会いを彷彿とさせる魅力がある。彫刻という既成の概念にとらわれることなく、己のフィーリングを大切にしながらも細かいところも気にせずけろっとした遊び心があるところもなかなか面白い。

彼の四畳半程度の狭いアトリエの壁にはこんな張り紙があったそうだ。

「アトリエは迷いの場であり、迷うから道を探す」「鐘を鳴らせ!俺は生きてるんだ」「芸術は作られるのではなく生まれるものだろう。私たちのやれることなどそう大きなわけがない」「思いよ世界の涯てまで飛んでいけ」

どのことばも深遠で暗示に満ちていて、自らの戒めとして貼っていたに違いない。今日も世界のあちこちで、いろんなアーチストが日々様々な葛藤を抱えながら創作活動に邁進してるんでしょうね。

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舟越桂の作品「書庫の中を飛ぶ」

2026/06/22
【第2196回】

先週の週末、7月22日(水)の1日のみの公演「空飛ぶドンキホーテ」の稽古場に行って来ました。村井國夫さんと山﨑薫さんによる歌唱×朗読という試み。朗読といっても芝居みたいだし、歌唱といってもいきなり歌い出すミュージカルみたいでもないし、おいらもいままで観たことがない不思議なものでした。先ず二人の掛け合いが絶妙だし、ハートで歌っている歌唱に心打たれます。そしてなによりも、台詞と歌の絡みに今まさに世界の置かれている状況に希望を見いだす展開になっているのが嬉しい。

台詞を口にする行為もなかなか難しいものですが、歌うという表現も更に深遠なものがあります。おいらも長年あらゆるジャンルの歌を聴いてきたのですが、やはり歌は究極のところ語りではないかと思います。大きな声で悦に入り気持ちよさそうに唱う歌ほど意外と聴衆に響かないものです。言葉を大切にしながら、メロディとリズムの力をかりて語りかけるように唱ってくれると心にじんわりと染み渡っていきます。

稽古場での二人の語りと歌にはおいらが思い描くものがありました。たった1日だけという公演が実に勿体ない!この現場を日本全国に届けねばと思った次第です。

昨日からメディアはサッカーの話題で持ちきり。そりゃそうだよね、日本の完璧な勝利。それにしても怖いモノ知らずの若い選手の個性溢れたプレーに、暗澹たる未来しか想像できなかったこの国に、少しは明かりを灯した1日だったかも知れませんね...

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京王井の頭線

2026/06/19
【第2195回】

青柳碧人著「乱歩と千畝」読了。久しぶりに一気読みした一冊でした。江戸川乱歩と杉原千畝が若い頃に出会って、お互いに成すべきことをやっていく中に激動の時代背景と歴史上の人物が登場する展開が面白い。江戸川乱歩と杉原千畝、怪奇探偵小説家とユダヤ人救済に尽力した外交官。実際には交流の無かった二人に、もしも交流があったら、というフィクション展開の中で、あとはそれぞれの物語が史実に基づいて描かれている。話の中で程よいタイミングで古関裕而、広田弘毅、川島芳子、松岡洋右、山田風太郎、松本清張、美空ひばりなどなどが登場し彩りを添えてくれました。この作家、なかなかのいい意味での食わせ物じゃないかしら?ミステリー・探偵小説・歴史小説これらが三位一体となりファンタジーの世界に巻き込んでいき最後は感動させるなんていう筆力はただモノではございません。

この混迷の時代こそ、作家は想像力を駆使していろんな形での物語を紡ぎだすことができる可能性を感じさせた作品でした。直木賞候補になったのですが、残念ながらこの年は受賞者なし。選考者の質も低下しているのではないかと思うのだが、ただ一人、選考委員の辻村深月さんが「歴史の世界でここまで奔放に遊んでよいのだと、私も実作者の一人として勇気と活力をもらった。同じように、きっとこの本を読んだ若い世代から、こんな自由な発想で歴史や小説を描きたいと思う人が出てくるのではないか。」唯一、この方だけがハナマルでした。まあ、すべからく好みは人それぞれですから...江戸川乱歩「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」...この本のテーマかな。

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頭と頭がごっつんこ

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