トムプロジェクト

2025/04/25
【第2027回】

昨日は、映画「教皇選挙」を鑑賞。つい先日、フランシスコ教皇が亡くなりタイムリーな作品になりました。それよりも現代社会が抱える諸問題がこの作品のなかにはびっしりと詰まっています。今回のアカデミー賞で脚色賞を勝ち取ったストーリー展開の面白さ、そして役者の名演技で極上のエンターテイメントに仕上がっています。おいらは音響効果賞があったら差し上げたいくらいの見事な効果音によって話の展開にメリハリをつけていました。これは映画館でしか味わえないものですね...後にTVなんぞで放映されるとは思いますが効果は半減以下だと思います。

次期教皇を目指す最初の有力候補が黒人、それを阻止しようとするのが白人、そして最終的に決まるのがなんと?(ここを書いちゃうとネタバレになってしまいますから)この映画には、保守的なジェンダー観を打破するときに社会に生じる違和感が寓話的に描かれています。昔から男社会で成り立ってきた世界、ましてやこの枢機卿の世界は閉鎖社会、ここに着眼点を置き男性主体の構造の矛盾を白日の下にさらすなんて趣向がなんともたまらんですばい。そしてなんと言っても示唆に富んだラストシーンが素晴らしい...無垢なる存在はシスターである女性たちという監督の持論。

主演の英国俳優レイフ・ファインズの無表情の演技が絶品。スピルバーグ監督「シンドラーのリスト」で冷酷無比なSS将校の役が今でも記憶に残っている。いい役者は手を変え品を変えずとも一つの顔で存在感を示すことが出来ることの良いお手本でした。

明日からGW、いつもながら行楽地には人だかり、旅行に行ってもホテルは特別料金、こんな時は近場でのんびりするのが一番でございます。

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君と好きな人が、百年続きますように

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