トムプロジェクト

2025/08/27
【第2077回】

昨日は明後日初日を迎える「鬼灯町鬼灯通り三丁目」の最終稽古に立ち会いました。いやいや、キャストの皆さん、この猛暑の中、なかなか上質な作品に仕上げてくれたなと思いました。芝居の基本は何と言ってもチームワークです。相手があって成立する産物ですから阿吽の呼吸が合わないとなかなかうまくいきません。一人卓越した役者が居てもどうにもならないのが芝居の世界です。きちんとコミュニケーションができてこそ会話も成立し、そこからお互いの心理戦へとより密度の濃い世界へと進行していきます。

その様を日々観ながら演出する人によって作品も大きく左右されます。今回の作・演出の東憲司さんは、役者の良さを引き出す名手。おいらもいろんな演出家と一緒に仕事をしてきましたが、東さんは役者を上手く乗せながらもきっちりと自分の世界を構築して作品を創り上げるタイプだと思います。役者さんも一癖二癖あるのは当然ですが、そこをどう上手く調教していくかコンダクターとしての手腕を問われるところですね。

稽古場がある錦糸町、稽古があるたびに随分と足を運んでいるのですが下町でありながら味わいのあるお店があちらこちらに点在しています。新鮮な羊肉を提供する店も予約しないと入れない盛況ぶり、粋なママが仕切る和食店、稽古場のすぐ前にある焼き鳥屋、その先には錦糸町らしくないイタリヤレストランなど、そして極めつけは飲みものとセット800円で提供している中華屋さん2軒、近くにすみだパークスタジオがあり、稽古帰りのスタッフ役者さんにとってもリーズナブルな価格なので稽古帰りにちょいと一杯!こんな場でまた一つ良いアイデアが生まれるかも知れませんね。

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下町のシンボル

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